杉本研究室
それは具体例でいいますと、私の前にどなたかが来られて、「私は学校へ行っていない」ということを言われますね。そうすると、普通の人はすぐに質問して、「あなたはいつから行っていませんか」とか、「なぜ行っていないんですか」とか尋ねていくわけですね。そうすると、話がすっと限定されていくわけです。ところが。われわれは、その方が「私は学校へ行っていないんです」と言われても、「行っていないんですか」と言うだけで、開いた姿勢で待っているわけです。・・・そういうふうな、何事が起ころうと大丈夫というふうに開かれた態度に持っていく。できれば開かれた態度でコンステレーションを読めたら読みましょうと思っている。・・・そういう読みのイメージを私自身がたくさん持っていることが大事ではないでしょうか。・・・そういうものをたくさん持ちながら、その人がどう動いていこうと大丈夫ですというふうにしていると、その人の心の中から深いことが出てくるわけですから、・・・厳密に言うならば、そういうコンステレーションが非常に起こりやすい状況に持っていくということじゃないか。
河合隼雄(2013). 『こころの最終講義』.新潮社(新潮文庫).pp.38-4...